知っていますか?-冷えの怖さ-

冷えに悩む人が多い現代社会。疲れの原因は人それぞれですが、冷えが原因かもしれないと考える人は少ないようです。そこで今回は、疲れをはじめとしたさまざま体調不良の原因になる冷えの怖さを解説していきます。

痛みや病気、心理にも影響

古くから「冷えは万病の元」といわれているように、冷えはさまざまな病気や体調不良の原因になっています。その症状は疲れ、頭痛、めまい、むくみ、便通の異常、痔など多岐にわたります。その中から代表的な症状と、その仕組みを見ていきましょう。

痛み(肩こり、腰痛など)

体が冷えると血管が収縮し、血行が悪くなるため、必要な栄養素が体の隅々まで行き渡らなくなってしまいます。また、老廃物を排泄する血中成分「血漿」の働きが悪くなり、老廃物の排泄がスムーズにできなくなります。これがこりや痛みの原因になるのです。

感染症(風邪、インフルエンザなど)

免疫細胞である白血球は体内のいたるところで働き、私たちを病気から守っていますが、体が冷えて体温が低いとその機能が低下してしまいます。一般的には体温が1度下がると免疫力が3割ほど低下するといわれています。

精神症状

体の冷えは脳内の血流も悪くし、やる気が低下するなど、精神状態に影響することもあります。そしてストレスによって交感神経が優位になって血管が収縮し、さらに血行を悪化させるという悪循環に陥ります。

冷えは現代病

日本人の平均体温は50年前よりも0.7度下がったという報告があります。最近では平熱が35度台という人も珍しくなく、冷えは現代病といってもいいかもしれません。
交通の便が良くなったことによる運動不足に加え、冷房やシャワーなど、便利なものが増えたため、現代人は冷えやすい環境にさらされることが多くなっているといえますが、現代より科学も医学も進んではいなかった50年前の人の方が平均体温が高かったということは、その理屈がわからずとも、体が冷えない生活習慣を身につけていたからでしょう。

先人の知恵に学ぶ

昔から言い伝えられてきた先人の知恵の中には、理にかなっているものがたくさんあり、そこから冷え対策のヒントを学ぶことができます。
たとえば、寒い地域ではニンジン、ゴボウ、レンコンなどの根菜類をはじめとした体を温める効果のある食材をよく食べる習慣があり、おばあちゃんの知恵袋として経験的に体を温める食生活が根付いています。
また、発酵食品やショウガなどの食材も体を温めることで昔から知られていますが、現代科学でもその効果が裏付けられているのです。 このように昔からある体を温めるための工夫の中には効果的なものがたくさんありますので、上手に取り入れて冷えない体作りを目指しましょう。

4つの冷え対策

寝るときに活用したい「ゆたんぽ」

体が冷えがちな方が悩むのは「冷えてよく寝られない」ということです。電気毛布を使う方も多いようですが、高い温度のままで長時間眠ってしまうと体温調節機能が狂ってしまい、冷えを助長してしまう場合もあります。一方ゆたんぽは時間がたつと自然に温度が下がるため、そのようなトラブルを防ぐことができます。

必要に応じて夏でも使いたい「腹巻」

腹部には臓器や血管が集まっていて、温めることで血行が良くなって免疫細胞の活動も活発になりますので、意識的に温めるようにしたいものです。そこで活用したいのが腹巻です。最近では薄くても暖かいもの、おしゃれなデザインのものもたくさんありますので、選ぶ楽しさもあるでしょう。

酵素がポイント「発酵食品」

味噌、しょうゆ、漬物、納豆など、日本食には発酵食品が多く用いられてきました。食品を発酵させることによって長期保存ができるほか、もともとその食材が持っている栄養素がより高められることも経験則として知っていたのかもしれません。
全身の免疫システムの6~7割を占める腸内環境の悪化は冷えや肌荒れなどさまざまな不調の原因になりますが、発酵食品は体内の酵素を活性化させて腸内環境を改善するため、冷え予防にも役立ちます。
一方で現代人は栄養のバランスが乱れがちであるばかりでなく、喫煙、飲酒、過度のストレスによって体内の酵素の機能が低下しています。

免疫力向上にも期待「しょうが」

新陳代謝を活発にすることで体温を上げるしょうがは、免疫力も高めるほか、発汗効果もあり、多くの漢方薬に含まれることからも、健康に良い食材であることがわかります。
しょうがは昔から体を温める「しょうが湯」などが用いられてきましたが、現在ではしょうが紅茶なども販売されているようです。甘味料として黒砂糖を加えると保温効果がより高まるともいわれていますので、いろいろな味を試しながら長く続ける工夫をしましょう。