肝臓を知る-主な機能、疲れとの関係-

肝臓は人体の中ではもっとも大きい臓器であり、私たちが生きるために必要な500種類以上もの合成・酸化・還元といった化学処理を行っていることから「人体の化学工場」ともいわれます。また、再生する力が大変強く、適切な食生活を送っていれば、1日に約30gほどが生まれ変わります。
日々黙々と頑張っている肝臓。その主な機能や疲れとの関係などを知り、働き者の肝臓をいたわってあげましょう。

肝臓ってどんな臓器?

肝臓の主な機能

代謝

吸収したたんぱく質、糖質、脂質の三大栄養素を体内で使用することができるような形に分解、または合成(代謝)し、肝臓の中に蓄え、必要な時に血液中に放出しています。

解毒

アルコールなど、体にとって有害な物質を解毒・分解して処理しています。

胆汁の生成

脂肪を消化する胆汁という消化液を作って、胆管から十二指腸に排出しています。

お酒を飲まない人でも肝臓は疲れている

現代社会における仕事の仕方や食生活といったライフスタイルの変化は肝臓の負担を大幅に増やし、「働きすぎ、疲れ、効率低下」といった悪循環を引き起こしています。

ストレス

ストレスは血圧を上昇させ、肝臓に負担をかけます。

飲酒

アルコールの解毒は肝臓に負担をかけます。近年の女性の社会進出に伴い、飲酒する女性も増えています。

運動不足

筋肉の活動量が減少して栄養が滞ると、肝臓に負担がかかります。

肝臓をいたわる生活習慣

飲酒は適量を守りバランスの良い食事を

お酒の飲み過ぎは肝臓を痛めつけて、その機能を低下させます。また、食べ過ぎによる肥満は脂肪肝につながりますが、極端な減量で栄養バランスが崩れても、脂肪が分解できず、逆効果になります。飲酒は適量を守り、必須アミノ酸を多く摂取するなど、バランスの良い食事を心がけましょう。

睡眠すれば肝臓も休める

睡眠している間は新陳代謝が抑制されることから、肝臓の負担は減少します。また、横になった姿勢は肝臓への血流が増えるため、質の高い眠りは疲れた肝臓を休ませ、機能を回復させることにつながります。肝臓のためにも、できれば1日6時間以上の睡眠時間を確保しましょう。

運動不足に注意

肝臓に脂肪をため過ぎないよう、脂肪を燃やす有酸素運動を習慣にしましょう。特にウォーキングは手軽に行うことができ、肝臓の負担も少ないのでおすすめです。1日20~30分ほど、少し早足で歩きましょう。

ぬるめのお湯で半身浴

入浴はストレスを解消するためにも欠かせないものですが、熱すぎるお湯や極端な長風呂、食後すぐの入浴は肝臓に負担をかけてしまいます。お腹のあたりまでぬるめのお湯に10分ほどつかる半身浴を心がけ、入浴後はゆっくり休息をとりましょう。

禁煙は基本

タバコの中に含まれているニコチンやタールなどの物質は肝臓で解毒されます。したがってタバコを吸うことは肝臓に余計な負担をかけているということです。アルコールを摂る習慣がある人はせめてタバコをやめ、肝臓へ過度の負担をかけることを避けたいものです。

肝臓に効く食生活

高たんぱく

肝細胞の主成分はたんぱく質です。また、肝細胞の中で働いている酵素や免疫細胞もたんぱく質で構成されているため、良質なたんぱく質(必須アミノ酸)が足りなくなると肝細胞の再生、代謝や免疫の調整ができなくなってしまいます。したがって、これらの原料になる良質のたんぱく質は、積極的に摂取しましょう。特に肝臓が気になる方は、吸収の良い動物性のたんぱく質が良いでしょう。

高ビタミン

ビタミン類は肝臓での栄養の代謝を円滑にするために欠かせない栄養素です。特にビタミンA、C、Eは、肝機能が低下すると不足してしまうため、十分摂るようにしましょう。食事だけでは不足してしまうという方はサプリメントで補うことも一つの方法です。

低脂肪

脂肪の代謝も肝臓で行うため、脂肪を多く摂り過ぎてしまうと肝臓の負担に。たんぱく質として肉を食べる際は、購入する肉の部位や調理の仕方に注意し、脂肪過多にならないようにしましょう。なお、炭水化物はたんぱく質を有効に利用するために必要なので、きちんと摂るようにしましょう。

お酒と肝臓

お酒に強いか弱いかを決めるアルデヒド脱水素酵素ALDH2

アルコールは肝臓で分解されて毒性の高いアセトアルデヒドとなり、これが酔いの原因となります。そしてこのアセトアルデヒドを分解する酵素が「アルデヒド脱水素酵素ALDH2」。この酵素の活性が高い人はお酒に強く、活性が低い人はお酒に弱い、というわけです。日本を訪れる欧米人は、酔っ払った日本人を見て驚くといいますが、これは欧米人のほとんどが活性の高い「アルデヒド脱水素酵素ALDH2」を持っていて、日本人を含むアジア系の人々の約50%が「アルデヒド脱水素酵素ALDH2」を持っていないか、持っていたとしてもその活性が弱いから。つまり、欧米人にとって、日本人のように酔っ払ってしまう人は珍しい存在なのです。
このようにお酒に強い人と弱い人は人種などによって生まれつき決まっているのですが、「最初は弱くても、長年飲んでいるうちに強くなる」「最近飲む機会が減ったら弱くなってしまった」という話を聞くことがあります。その理由を説明しましょう。
アルコールを分解する時、最初の段階では「アルコール脱水素酵素」と「チトクロームP450」のはたらきでアセトアルデヒドが作られますが、アルコールの量が増えると「チトクロームP450」の量が徐々に増えることが知られています。そのため、アルコールを飲み続けると、アルコールを分解する能力が高くなるのです。ただ、飲み過ぎの状態が続けば肝臓はアルコール処理に忙しくなり、エネルギーを作る、脂肪や糖質を代謝するといった本来のはたらきができなくなります。いくらお酒が強いといっても、自分を過信しすぎるのは禁物です。肝臓をいたわってほどほどに飲むようにしましょう。

お酒の上手な飲み方

飲む前

空腹の状態でいきなりお酒を飲むのは良くありません。何か胃の中に入れてから飲むようにしたいものです。ちなみにお酒を飲む前にリンゴ、柿、みかん、牛乳、パンなどを食べると悪酔いしにくいといわれますし、あらかじめ肝機能をサポートするドリンクや健康食品などを飲んでおくのも一つの方法です。また、運動直後の飲酒も避けるようにしましょう。

飲む時

アルコールの適量は、日本酒1合、ビール中びん1本、焼酎グラス1/2杯、ワイングラス2杯、ウイスキーシングル2杯です。おつまみは肝臓の負担となる油っこいものを控えめにし、良質なたんぱく質や野菜類など、肝臓に負担をかけにくいものを選びましょう。そして合間にアルコールが入っていない水分を摂れば肝臓の負担も幾分軽減できます。何も食べないでお酒だけを飲み続けたり、短時間に大量のアルコールを飲むのは良くありません。
アルコールと同様、タバコも肝臓に負担をかけますので、飲酒時の喫煙は避けましょう。また、アルコールと薬は一緒に飲んではいけません。

飲んだ後

飲酒が2日続いたら、1日は肝臓を休ませましょう。週に2日は休肝日を設けましょう。

お酒と肝臓の病気

適量であれば「百薬の長」とされるお酒でも、飲み過ぎると病気の要因になります。脂肪肝からアルコール性肝炎となり、さらに症状が進行すると、肝硬変や肝ガンを引き起こす場合もあります。肝臓は「沈黙の臓器」ともいわれるように、自覚症状がないことが多いので、お酒をよく飲む方は肝臓に関連する健康診断の数値に日ごろから注意しましょう。

健康診断で注意する数値

γ-GTP…正常値:男性10~50IU/L、女性9~32IU/L
γ-GTPは肝臓などに含まれている解毒作用に関連する酵素で、アルコールに敏感に反応します。この数値が高ければ、それだけ肝臓などが破壊されているということになります。
GOT(AST)…正常値:8~40 IU/L
GPT(ALT) …正常値:5~45IU/L
GOTとGPTはいずれもたんぱく質を分解してアミノ酸を作り出す酵素です。肝臓に何らかの異常があると多くの場合は両方の数値が上がりますが、肝硬変ではGPTが低かったり、逆にGPTのみが高くなることもあるため、注意が必要です。

アルコールが引き起こす病気

アルコール性脂肪肝

肝細胞の中に中性脂肪が入って、それが異常に増幅して肝臓が脂肪で満たされてしまう状態です。自覚症状はない場合が多いですが、全身がだるかったり上腹部に不快感を覚えることがあります。

アルコール性肝炎

肝細胞が壊れ、その周辺に白血球が集まり炎症を起こした状態です。自覚症状として上腹部の痛み、吐き気や下痢などがみられます。

アルコール性肝硬変

アルコール性の肝臓障害の最終段階です。壊れた肝細胞が修復される時に繊維性結合組織も一緒に増えるため、肝細胞が分断されてしまいます。結果として肝細胞への血流が悪化して様々な合併症を引き起こします。

肝臓と全身の疲れ

肝臓は「アルコールを解毒して分解する」というイメージが強いですが、さらに身近なはたらきとして「エネルギーを生産して貯蔵する」という機能があります。いろいろな機能を果たす肝臓は大量のエネルギーを作り出して貯えているのです。したがって肝機能が低下すればエネルギーの生産能力も落ちるため「スタミナ切れ」の状態となり、全身疲労の原因になります。肝機能障害の初期に「疲れ」や「だるさ」を感じるのは、このためです。逆に言うと、全身疲労を回復させるためには、低下した肝機能を補ってあげることが大切なのです。

夏バテにも肝臓が関係している

人間の体は暑い夏になると、体温を一定に保とうとして大量のエネルギーを使うため、かなりの負担になります。この負担が強くなったり長期間続いたりすれば体の調節機能が悲鳴をあげ、たまった熱を放出できなくなって、だるさを感じたり、胃腸機能が低下したりするようになります。このような状態が、夏バテです。胃腸機能が低下すると食欲がなくなって、ついつい、さっぱりしたものや冷たいものばかりを食べてしまいますが、そのような食事ではビタミンやミネラル、たんぱく質といった肝臓が元気に働くための十分な栄養が摂取できず、肝機能が衰えてしまいます。すると胃腸の消化機能もさらに低下し、夏バテの悪循環に陥ってしまうのです。

女性にとっても大切な肝臓

スキンケアと肝臓

たるみ

食事から摂取したたんぱく質は、消化・吸収されて肝臓に集められてアミノ酸に分解された後、人体が使える形に再び合成されます。肌のハリに関連するコラーゲンもたんぱく質なので、肝機能が低下するとコラーゲンも十分に合成されず、肌のたるみにつながります。

ニキビ

皮膚はわたしたちの体の中で最も大きい排泄のための臓器です。そのため、肝臓の解毒機能が低下してしまうと、分解しきれなかった物質を皮膚から出そうとします。これらの物質が肌から排泄される際に、皮脂腺や毛穴にも作用することから、ニキビなどの炎症が起きやすくなってしまいます。

くすみ

血の巡りの良い人は皮膚の下を通る新鮮な血液を反映して顔色も良く、肌にも透明感がありますが、血行が良くないと顔色も黒ずんでしまい、ツヤ・透明感が失われます。肝臓には汚れた血液を浄化して循環させるはたらきがあるため、肝臓の機能が低下してしまうと血行不良になり、顔色もくすんでしまうのです。

シミ

肝臓の機能が低下すると、シミの原因となる黒色メラニンを抑える「グルタチオン」という成分が足りなくなります。そして抑えきれなくなって増加した黒色メラニンがなかなか排出されないで皮膚に留まってしまうので、シミになりやすくなるのです。

肝臓が疲れて起こる冷えやむくみ

冷え

女性の50%以上が、冷えで悩んでいるといいます。「冷えは万病の元」ともいわれますが、冷えは肩こりや腰痛、生理痛を引き起こすなど、実に多くの不調に関係しています。女性は男性より筋肉の量が少ないので熱を作り出す能力が低いこと、月経時に貧血があるとさらに体温が下がりやすいことなどから、男性に比べて冷えで悩む方が多いのです。肝臓は心臓からの血液の20%を貯め込んでいる臓器ですから、肝臓の血流は全身の血流に多くの影響を与えます。肝機能が衰えれば血行は悪くなり、冷えにつながってしまいます。外側から体を温めるだけでは不十分な場合は、肝臓のケアも行いましょう。

むくみ

夕方に足がむくんでしまうという女性は多いですね。このむくみにも、実は肝臓が関係しています。肝臓はたんぱく質から分解されたアミノ酸を合成してアルブミンを作り出します。アルブミンは細胞に栄養を運搬するはたらきのほか、余分な水分・老廃物を回収するという機能もあります。肝機能が低下すればこのアルブミンが不足し、余分な水分が回収できなくなって、むくみを引き起こすのです。また、水分の代謝に関わっている腎臓は肝臓とも密接に関連しているので、肝機能が低下すると腎臓にも影響が及び、全身のむくみにつながってしまうこともあります。

肝臓をいたわる医薬品

カラダの成長・健康増進に役立つ20種類のアミノ酸を含む栄養剤コンクレバン

肝臓(レバー)を分解したアミノ酸と、摂った栄養素を効率よくエネルギーに変える働きのあるビタミンB群を配合。カラダがエネルギー不足になった方に効果的に働きます。ノンアルコール・ノンカフェインですので、お子様からお年寄りまで、また、妊娠中・授乳中の方にも安心して飲んで頂ける「医薬品」の栄養剤です。
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