よくわかる-眠りのはなし-

「眠り」は、脳と体が休息している状態です。ぐっすり眠るためには、お風呂に入るなどして体を温めることや、昼と夜の生活リズムを整えることなども大切ですが、眠りを導く「睡眠物質」が脳内にたっぷりと満たされていることが必要です。
「睡眠物質」は、アミノ酸・ブドウ糖を原料として、亜鉛・セレン・銅・ビタミンB12などのミネラル・ビタミンの働きによって脳内で作られ、これらの働きが正常であれば、早く寝つくことや熟睡することなどが可能になります。
したがって、ぐっすりとした眠りやスッキリとした目覚めには、脳への十分な栄養補給が不可欠なのです。

次のようなことでお困りではありませんか?

寝つきが悪い
夜中に目が覚める
寝起きがつらい

「眠り」は人の心と体の健康にとってとても大切ですが、近年、生活リズムの変化やストレスの増加などにより、成人の5人に1人が「ぐっすり眠れない」「睡眠時間が短い」などで悩んでいるといわれています。
布団に入ったのになかなか眠ることができず「このままでは朝起きられない」「子供のお弁当を作れるかしら」「明日は大切な人に会うのに…」などの不安や心配がストレスとなってリラックスできず、目がさえてますます眠れないことはありませんか。
「夜中に何度も目が覚める」「朝早く目覚め過ぎてしまう」「たくさん寝たはずなのにスッキリしない」「疲れがとれない」という睡眠の悩みを持ち、日常生活に支障が出てしまう方が年々増加しています。特に高齢者では3人に1人が不眠の悩みを抱えています。

眠りのしくみ

眠ることができるのは、高ぶっている神経の「覚醒中枢」を抑え込むことができるからで、この高ぶっている「覚醒中枢」を抑え込む物質を「睡眠物質」といいます。
昼間は「睡眠物質」が少ないため、「覚醒中枢」が活発であり、人は目覚めていますが、夜になると「睡眠物質」が増加して「覚醒中枢」を抑え込むため、私たちは眠ることができます。
一方、眠れない方の脳内では夜になっても「睡眠物質」が十分に作られないため、「覚醒中枢」を抑えることができません。そのため「覚醒中枢」が活発な状態が続いて眠りにつくことができないのです。

睡眠物質はブドウ糖・アミノ酸から作られる

よい眠りのためには、眠りを導くアデノシン・GABAなどの「睡眠物質」が脳内に満たされることが必要です。「睡眠物質」はブドウ糖・アミノ酸を原料とし、亜鉛・セレン・銅・ビタミンB12などのミネラル・ビタミンの働きによって作られますが、現代人、特に食が細くなっているお年寄りは「睡眠物質」を作るために必要なミネラルやアミノ酸などの摂取が不足しがち。
ぐっすりとした眠り、スッキリとした目覚めには「睡眠物質」を作るための原料であるブドウ糖やアミノ酸、不足しがちなミネラル・ビタミンをしっかりと摂取することが必要不可欠です。

ミネラル・ビタミン補給でよい眠りを

ミネラル・ビタミンの摂取が不足すると、脳内のミネラル・ビタミンも不足しやすくなります。すると「睡眠物質」が作られる量も不足し、活発な「覚醒中枢」を抑え込むことが難しくなり、その結果、ぐっすり眠ることができません。
ミネラル・ビタミンを十分に摂取すると「睡眠物質」を作る働きが活発になり、たくさんの「睡眠物質」が作られます。この「睡眠物質」が高ぶっている「覚醒中枢」を抑え込むことによって、ぐっすり眠ることができるようになるのです。

ぐっすり眠るための栄養素の宝庫カキ

「海のミルク」といわれるカキは、海の栄養をたっぷり含んだ食品。カキは天然ミネラル・ビタミンの宝庫であり、「睡眠物質」を作るために必要な亜鉛・銅・ビタミンB12・アミノ酸といった栄養素がバランスよく豊富に含まれています。
カキはぐっすり眠るための栄養素の補給にはとても優れた食品なのです。

十分な睡眠が生活習慣病予防にも

近年、不眠と生活習慣病には相関関係があることがわかってきました。なかでも特に「糖尿病」と「高血圧」は、不眠と深い関係があります。
糖尿病の方の多くは、のどの渇きや夜間頻尿のため、夜中に起きてしまい、その後なかなか眠れないことが多いようで、糖尿病患者の約40%の方が睡眠障害に悩んでいることがわかっています。
そして眠れないことがストレスとなり、血糖値を上昇させる働きがあるコルチゾールが過剰に分泌され、「眠れない」→「コルチゾール分泌過剰」→「血糖値上昇」→「糖尿病の悪化」→「のどの渇き・夜間頻尿」→「眠れない」という悪循環が繰り返されてしまうのです。
また、不眠は交感神経を興奮させ、血圧を上昇させることもわかっています。健康な人でも睡眠時間が短いと血圧の上昇と心拍数の増加がみられますので、慢性的な睡眠不足には注意が必要です。
このように、ぐっすり眠ることは生活習慣の予防にもつながっていくのです。

よい眠りのために

朝の目覚めが早過ぎる方は

眠ることや起きることを司る体内時計は、太陽の光を浴びることによって調整されます。
たとえ目を閉じていたとしても、早朝の太陽の光が顔に当たると、早過ぎる時間に目覚めてしまう要因の一つになります。このような場合はカーテンを閉めて早朝の太陽の光を避けることをおすすめします。

寝つきがよくない方は

体の奥の体温を「深部体温」といい、私たちは深部体温が下がってくると眠りに入りやすくなります。眠いときに手足が温まるのは、深部体温が体の奥から外へ発散されるためです。
また、このとき深部体温が下がる幅が大きいほど、眠りにつきやすくなるといわれています。就寝1~2時間前にぬるめのお風呂にゆっくり入り、体を芯から温めると、いったん上がった深部体温をその後大きく下げることができますので、試してみると良いでしょう。