治療も予防も難しい-ノロウイルスの対処法-

嘔吐や下痢といった苦しい症状があらわれ、抵抗力の低い小児や高齢者が死亡する場合もあるノロウイルスには、治療薬やワクチンがありません。しかし、普段の生活で抵抗力を高めておくことによって、感染しにくい体作りをすることが可能です。

かかる前にできることはないの?

毎年10月頃から流行し始め、12月から1月にピークを迎えるノロウイルスは、手・食品などから体内に入って腸内で増殖し、嘔吐や下痢などの苦しい症状があらわれます。
感染してしまうと仕事や学校を何日か休むことになり、さらに家族の嘔吐物や便から二次感染することもあるため、入念な手洗いや汚物処理を徹底しなければ、被害は大きく広がっていきます。過去には医療機関や福祉施設などで集団感染が発生して死者が出たこともあり、特に抵抗力が低い小児や高齢者は注意が必要です。
一般的に、ノロウイルス対策といえば、かかった後の対処や二次感染を防ぐ方法しか知られておらず、流行が終わるのを待つしかないのが現状です。しかし、日々の生活で体の抵抗力高めておくことで、ノロウイルスに感染しにくい状態を作っておくことは可能なのです。

風邪などの体調不良も抵抗力低下が原因

抵抗力とは、細菌やウイルスから身を守り、健康を維持する力。その力の源のひとつが体内にある免疫細胞です。
免疫細胞は、体の中に細菌やウイルスなどが存在しないかを監視し、異物を見つけた場合は退治してくれますが、抵抗力が下がってこの免疫細胞の機能が低下してしまえば、ノロウイルスに感染しやすくなり、嘔吐や下痢に苦しむことになります。
これはノロウイルスに限った話ではなく、風邪やインフルエンザの感染も同様です。日頃から抵抗力の高い状態を維持しておくことは、さまざまな病気を防ぐためにとても大切なのです。

抵抗力を下げる生活習慣

抵抗力を高めるためには、日々の生活習慣の見直しが必要です。不規則な生活が続いていないか、喫煙や過度な飲酒はないか、入浴では体の芯まで温まることができているか、運動不足や睡眠不足はないか、体の冷えはないか、ストレスを感じていないか。このような生活習慣は抵抗力が低下する要因になります。

抵抗力UP生活を実践

以下の生活を心がけ、抵抗力を高い状態に保ち、ノロウイルスに負けない体作りを目指しましょう。

腸を元気にする食生活

抵抗力向上には、身体の免疫機能が高いレベルで働くことが不可欠。もしも手洗いやうがいなどで取り除くことができなかった細菌やウイルスが口から入り込んだとしても、免疫細胞がそれらの異物を退治してくれれば、身体を守ることができるからです。
体内で最大の免疫器官は「腸」で、免疫細胞の約70%が腸内にありますが、食事は腸内環境に大きく影響することから、毎日の食生活が重要になります。
腸内の善玉菌を増やすことで免疫細胞が活性化し、抵抗力は上がりますので、善玉菌を増やすオリゴ糖や、抗ウイルス作用のあるラクトフェリン、食物繊維などを積極的に摂取して腸内環境を整えるようにしましょう。手軽なコンビニ食や加工食品ばかりだと悪玉菌が増えやすいため頻度には注意が必要です。

体温を上げる運動・入浴

風邪をひくと体温が上がって体内の免疫細胞がウイルスと戦うことからもわかるように、体温が上がれば抵抗力も上がります。
体内の熱源にはいろいろありますが、筋肉はとても重要な熱源になっていますので、運動不足による筋肉低下は低体温の原因になってしまいます。日頃から体を動かす習慣をつけ、体温を上げる工夫をしましょう。また、毎日の入浴も体温を上げるための大切な時間。面倒だからとシャワーだけで済ませると抵抗力は下がり、体調不良を招くこともあります。

自律神経のバランスを整える

誰でも眠れない日が続けば体調がすぐれなくなりますが、睡眠不足は自律神経のバランスを崩し、抵抗力の低下につながります。そして睡眠は時間の長さだけでなく、質も重要。質の良い深い眠りがより多くの成長ホルモンを分泌させて健康を維持します。また、ストレスは睡眠の妨げになりますので、寝る前には好きな音楽を聴いたりするなど、リラックス状態になるよう心がけましょう。