おしっこのはなし-男性編-

健康な人の1日の排尿回数は4~8回で、通常就寝中にトイレに起きることはほとんどありません。ところが年を重ねるにつれ「ビールの飲み過ぎでもないのに夜中にトイレに行く」「排尿の回数が増えた」「尿の勢いがない」「尿の出が悪い」といった排尿の悩みを持つ男性が増えてきます。原因はいろいろと考えられますが、こうした症状の多くは、50歳以上の男性なら前立腺が肥大して尿道が圧迫されることによるものだと考えられます。

男性のおしっこに関わるトラブル

男性のおしっこに関わる病気は「前立腺肥大症」「前立腺がん」「前立腺炎」の3つがあります。

前立腺肥大症

分かりやすく言うと、おしっこを出したり溜めたりする蛇口の役割をしている前立腺が大きくなっておしっこの出具合が悪くなる病気です。
よく「おしっこのキレが悪くなった」という言葉を聞きますが、こうした症状は前立腺肥大の可能性があります。前立腺肥大は年齢とともに起こるもので、中高年の半数以上に前立腺肥大が起きています。

前立腺がん

前立腺に発生する悪性の腫瘍のことで、近年急増している病気です。肥大症とは発生する部位が異なり、また肥大症ががんに進展することはありません。初期には自覚症状がありませんが、進行すると前立腺肥大症と同じような症状が現れますので注意が必要です。

前立腺炎

尿道から細菌が侵入したり、冷えやストレスなどで前立腺に炎症が起こる病気です。排尿困難、下腹部の不快感、排尿痛などの症状が現れます。

前立腺肥大症

こんなおしっこのトラブルありませんか?

おしっこをした後も残っている感じがする(残尿感)
いきまないとおしっこが出ない
おしっこをガマンするのがつらい
夜中、トイレに行く
おしっこの勢いが弱い
途中でおしっこが途切れる
おしっこをしてから2時間以内にまた行きたくなる

50歳代で50%、60歳代で60%が前立腺肥大

前立腺が肥大すると、トイレが近い・すぐに尿が出ない・残尿感がある・いきまないと尿が出づらい・尿のキレが悪い・夜中に何度もトイレに立つなどの複数の症状を抱えることで大変な不快感を伴いますし、尿が近いと長時間の会議や交通機関での移動がつらい上、夜間は睡眠が妨げられて全身の疲労につながります。
「前立腺」は男性にしかない臓器で膀胱の出口付近にあります。ちょうどクルミぐらいの大きさで、尿道を取り巻くように位置していますので、これが肥大することで尿道を圧迫して尿が出にくくなるなどの排尿障害が現れます。これは男性ホルモンのテストステロンが酵素の作用でジヒドロテストステロンに変化するのが原因といわれています。
また、前立腺の肥大とともに神経が過敏になり、交感神経が緊張して尿道を締めつけることによっても、残尿感や尿もれなどが起こります。
前立腺はほとんどの人で40歳頃から肥大が進みます。はじめのうちはトイレが近くなった・おしっこに勢いがなくなったという程度の症状が出るものの、それ自体は直接健康に関わるほど重大ではありません。しかし、やがて夜間頻尿など生活に支障が出るようになったり、さらに悪化させてしまうと尿が膀胱にたまって結石ができたり、腎臓の機能低下を起こす場合もあります。
悩んでいる方はたくさんいます。一人で悩まずに、ぜひご相談ください。

おしっこの流れを測定すると

排尿障害がどの程度のレベルなのか調べる方法の一つに「尿流測定」という検査があります。文字通り、尿の流れ出る勢いを調べる検査です。正常な排尿は、はじめの方で「シャーッ」と勢い良く出るものですが、前立腺肥大症の場合、尿が出始めるまでに少し時間がかかり、また出始めても尿が少しずつダラダラ出るという特徴があります。

前立腺肥大症のレベル

前立腺肥大症のレベルはその症状によって第1期、第2期、第3期の3段階に分けられます。ほとんどの方が、おしっこの回数が増えたり夜中にトイレに起きる第1期、思わずいきんでしまったり、尿が残った感じがする第2期のレベルにありますが、第3期になると尿が出せなかったり尿をもらすようになります。

前立腺がん

過去5年間で倍増

前立腺がんは、これまで日本人には少ないがんでした。欧米では前立腺がんは男性のがん死亡者のうち約20%を占めるほど頻度の高い病気ですが、日本の場合はまだ欧米の1/10~1/20にとどまっています。
しかし、近年の生活習慣の変化などに伴い、前立腺がんの人が急増しています。前立腺がんの死亡者の数は過去5年間の統計を見るとほぼ2倍に増えていて、今後さらに加速すると予想されています。
前立腺がんは尿道から少し離れた外側にできるため、初期には前立腺の中央を通る尿道を圧迫することはありません。ですから、ある程度がんが成長するまで自覚症状はほとんどありません。

前立腺炎

前立腺炎は主に細菌性のものです。大腸菌や淋菌などの細菌の感染により前立腺が炎症を起こし、残尿感や頻尿などの症状が出ます。また、冷え症やアレルギー、ストレスなどによっても前立腺に炎症が起こります。

この点に注意しましょう

おしっこをガマンしない

尿意を感じたらすぐに排尿しましょう。尿が出ない、または、もらしてしまうという方はすぐに専門医に相談しましょう。

同じ姿勢を続けたり足腰を冷やさない

運転やオフィス仕事などでじっと同じ姿勢を続けたり、足腰を冷やすことは頻尿につながります。

洋食や油っぽいものを控える

前立腺肥大の原因の一つが食事の欧米化といわれています。