おしっこのはなし-女性編-

咳やくしゃみをした瞬間や、重いものを持ち上げた時に起こる尿もれ。こうした症状を経験すると恥ずかしくて人には言えず、一人で悩んでしまう女性は多いものですが、実は成人女性の約30%、特に40代以降の女性では、ほぼ2人に1人は尿もれを経験したことがあるのです。さらに、高齢になるほどこの割合は大きくなり、実際に失禁で悩んでいる方はもっと多いと予想されます。失禁を恐れるあまり常に気を張っていたり、おもしろいことがあっても笑えないと精神的にも苦痛になります。外出やスポーツなどを避け、家にこもりっきりになると毎日が本当につまらないものになってしまいます。
悩んでいる方はたくさんいます。一人で悩まずに、ぜひご相談ください。

女性のおしっこに関わるトラブル

尿失禁、女性の密かな悩み

昔から「加齢とともに男性は尿が出にくくなり、女性は尿がもれる」といわれていますが、女性の尿失禁は比較的若い世代から見られます。また、もう一つの尿のトラブルに膀胱炎がありますが、いずれも女性に多く見られる症状です。しかし、恥ずかしいといってあきらめることはありません。毎日の生活の中で症状を改善したり予防したりすることができます。

尿もれの原因とタイプ

女性の尿もれは、出産、肥満、便秘、膀胱炎などがきっかけで起こりますが、尿もれにはいくつかのタイプがあり、それぞれ原因も異なります。

腹圧性尿失禁

一番多いタイプで尿失禁の約60%を占めます。咳やくしゃみをしたり笑ったりするともれてしまうもので、更年期以降の女性に多く見られます。お産やホルモンバランスの変化によって尿道を締める尿道括約筋(骨盤底筋の一部)の収縮力が弱くなり、お腹に力が入った時にもれてしまいます。対策としては、尿道括約筋を鍛える骨盤底筋体操が効果的です。

切迫性尿失禁

急な尿意でトイレまでガマンできずにもれてしまうタイプで、頻尿を伴います。膀胱が過敏になって、ちょっとした刺激で急に収縮するために起こり、脳梗塞の後遺症や膀胱炎の刺激が原因となる場合もあります。お年寄りに多く見られ、大部分の方が腹圧性尿失禁を併発しています。対策としては、骨盤底筋体操とともに、膀胱を訓練して排尿の間隔をあけることです。

溢流(いつりゅう)性尿失禁

糖尿病など何らかの原因で膀胱に尿がたまり過ぎて失禁するタイプです。まずはしっかりと原因の疾患を治すことが大切です。

女性に多い膀胱炎の原因と対策

膀胱炎は男女ともに見られる病気ですが、その割合は女性の方が男性の20倍も多くなっています。症状としては、頻尿(30分~1時間ごとにトイレに行く)、排尿痛(熱い、さしこむような痛み)、尿の濁りの3つが挙げられますが、進行すると、どろっとした尿(膿尿)や血尿などのほか、熱が出る場合もあります。
主な原因は膀胱や尿道などの細菌による感染です。特に女性に多いのは、男性に比べて女性の尿道が大変短いうえに、尿道口が膣や肛門のすぐ近くにある関係で、男性より尿道から膀胱に細菌が入りやすいからです。
膀胱炎は比較的治りやすい反面、再発しやすいという特徴があり、再発には注意が必要です。膀胱炎を予防するために大切な点は、水分を十分にとり、おしっこをガマンせずに十分に出すこと。これはおしっこをすることで尿道口から侵入した大腸菌などの細菌を流すためです。そして膀胱や尿道の抵抗力が低下するのも感染の一因となるので、過労や冷えにも注意することが大切です。

尿もれが気になり始めたらこれだけは実行しましょう

骨盤底筋体操をする

骨盤底筋体操は、膀胱の周りの筋肉を強くして、尿がもれにくい筋肉づくりをするための体操です。
まず、仰向けに寝て、膝をこぶし1つくらい開いて立て、手はお腹の上に軽く乗せます。
肛門、膣、尿道をぎゅっと締めて、息を吸いながら、胃の方に吸い上げるように力を入れ、3~5秒たってからゆっくり力を抜きます。
次に、肛門、膣、尿道を速いテンポで締め上げて、すぐに緩めます。

水分制限をしない

尿もれが気になって水分を控え過ぎると、膀胱で尿の滞留時間が長くなるため膀胱炎になりやすくなります。

排尿習慣をつける

不安でむやみにトイレに行くのではなく、尿意を感じてからスッキリ排尿するようにしましょう。